「オオコワ」と鳴くカラス
宿敵トンビ
 カラスは生ゴミあさりだけが仕事ではない。 トンビとの出入りもある。たいていは若ガラスに任せるのだが、 あのアホカラスはトンビのずる賢さにまんまと引っかかる。 だからいつも多数で攻めろと注意する。 トンビは多くても二羽、大抵は一羽で生活している。 だから集団で戦えば負けることはない。 儂の縄張りでは1羽対10羽、圧倒的にカラスが優勢だ。 だから、少しくらい餌を譲ってやってもいいかと思う時もある。
 しかし、すました顔をして優雅に飛びまくられると、 馬鹿にされた気になってそんな気持ちも吹っ飛ぶ。 確かに飛び方ではトンビの方に一日の長がある。 なんせ名前が「飛び」だから。 我々カラス(烏)は鳥でも一本足りないトリ(鳥)なので、 それは認めよう。 しかし、体力、飛力、能力どれをとっても、 アホガラス以外はトンビに負けない。
 人間の子供が鳥の絵をかくとき、 必ず茶色を塗る。 黒を塗る奴なんでまずいない。 これにも腹が立つ。 黒鳥差別だろうと訴えてやりたいが、 他の鳥は耳を貸さない。
 人間社会では、 4年に1回オリンピックという競技会があると聞く。 その中で、黒人はあらゆる種目でその能力を発揮しているらしい。 鳥の世界でも鳥オリンピックを作れと言っているのだが実現しない。 もし、鳥オリンピックが開かれたら、 それこそカラスの黒鳥パワーで鳥界を席巻してやるのだが。

 この前、テレビを見ていると、 もちろん窓の外からの覗き見だが、 トンビが人のもっている餌を奪い取るというニュースをやっていた。 これはトンビのパフォーマンスだ。 自分たちはいかにうまく飛べるかを、 我々カラスに見せつけているのだ。
 人間も人間だ、 餌を取られてトンビはすごいと感心している。 こんなことを言うから、 トンビは図に乗ってカラスをバカにする。 野球でいうと、 簡単に捕れるフライをわざと難しそうに捕るあれである。
 カラスは捨ててある餌を拾っただけでも石をぶつけられる。 こんな差別があっていいものか。 しかもトンビという奴は上質の餌しか食べない。 生ゴミなど見向きもしない。 人間社会では今、 環境保全だとかエコ社会だとかいっているらしいが、 それなら生ゴミ解放区を作ってくれ。 カラスの中には、 アホカラスのように間違えてビニールを食ってしまった奴もいる。 我々カラスが安心して餌が食えるのなら、 だれが危険を冒してまで生ゴミ集積場を汚すか。
くま邦彦:作文家 / 2024/12/21 改稿
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