「オオコワ」と鳴くカラス
4_糞にまつわる話し
金曜日の朝、白髪頭の初老の男が玄関先で怒っている。 彼の足元を見ると、長さ5㎝、直径2㎝大の犬の糞が、二つ転がっている。 どうするのかと見ていたら、初老の男は足でその糞を道路に向かって蹴り飛ばした。 すぐに車が通りすぎ、つぶれた目玉焼きのような黄土色の糞が、道路にこびりついた。
儂は知っている。この日の6時過ぎ、夜が明けて周りがはっきりと見え始めた頃、 中年の男が、犬をつれて道路沿いの歩道を北から南に向かって歩いていた。 電柱の前に来るたびに、犬は鼻を近づけ臭いをかいで、小便をかけている。 男は急ぐ風もなく、犬のやりたいようにやらせている。
そして、初老の男の家の前に来たとき、犬は最初、ブロックでできた門柱の臭いを嗅いでいたが、 すぐに横の庭に入り込み、くるくると二回りして場所を決めると、尻を下げた。 次に尻を上げたとき、あの二切れの糞が残っていた。 飼い主の男は、その間ずっと歩道で人がこないか様子をうかがっていた。 犬が用を済まし、男の足元まで戻ると2頭(失礼、1人と1匹)は南に向かって、足早に去って行った。
これは儂、個ガラスの意見だが、糞をして放っておいて何が悪い。 いずれ細菌が糞を分解して、自然にもどす。 最近は道が舗装されていて、少し時間がかかるがいつかは消えてなくなる。 しかも、犬は自分で糞を持って帰れない。
余談だが、その点猫は賢い。 必ず、自分で穴を掘って、そこに糞を入れ、丁寧にも上から土をかけとる。 始末が悪いのは、人間だ。ちゃんと手があるのに、道路にビニール袋や発砲スチロールの容器を捨てよる。 質の悪い奴は、わざわざ初老の男の庭の中に投げ込んどる。 ブロック塀の上に、空き箱を陳列する奴もいる。
この初老の男が、歩道や自分の家の庭やブロック塀のゴミを、拾っているのを何度も見ている。 これらは、時間をかけても分解しない。 集めて捨てるしかないのだ。
電柱から見下ろしているとよくわかる。 あの初老の男の家にゴミを投げ込んでいるのは、子供、若者、年寄りすべてだ。 しかも、毎回同じ奴ら。
昔の偉人はいいことを言った。
「天知る。地知る。我知る。カラス知る」

これも余談だが、犬はかわいそうだ。糞が黒いから目立つ。しかも臭い。 その点、我々カラスはうまくすれば・・・バレない。 なぜなら、飛びながらするし、糞は白い。
ところが、鳩の奴が人間のいるところで、白い糞を見せびらかしたものだから、 鳥の糞は白いことがバレてしまった。 人間は美白を好む。 だから、白い糞など想像もしていなかったはずなのに、鳩よなんてことしてくれたのだ。
これは初老の男の話しだが、鳥の糞といったが犬の糞とはちょっとしくみが違うそうだ。 尿酸といわれる「おしっこ」が主成分で、その中にちょこっと糞が混ざっているのが我々の糞だという。 臭いも少ない。
くま邦彦:作文家 / 2024/12/17 改稿